Yamagata Bar Association
形県護士会

 山形県弁護士会について

 

沖縄県民の民意を尊重し、辺野古新基地建設の抜本的見直しを求める会長声明

 

  • 1 政府は、2018年12月14日、米軍海兵隊の普天間飛行場の代替施設として建設予定である辺野古新基地の建設に向け、沖縄県北部の辺野古崎海域で埋め立て工事に着手し、現在も続けている。
  • 2 沖縄県は、太平洋戦争の過酷な地上戦を経てアメリカ軍に占領され、1945年から1972年の本土復帰までの27年間、アメリカ合衆国の統治下にあり、その間、土地の強制接収が行われ、次々と新しい基地が建設された。現在、国土面積の約0.6%しかない沖縄県に、全国のアメリカ軍専用施設の約70%が集中しており、米軍基地を原因とする深刻な事件や事故の発生のみならず、航空機の騒音の被害など生活環境や、さらには自然環境の破壊といった甚大な被害が継続しており、沖縄県民は、戦後70年以上の長きにわたり加重な米軍基地の負担を強いられている。
  • 3 2019年2月24日、沖縄県において、普天間飛行場の代替施設として国が名護市辺野古に計画している米軍基地建設のための埋立てに対する賛否を問う県民投票が実施され、有効投票数60万1888票(投票率52.84%)のうち7割を超える43万4273票が反対の意思を表明した。このように、沖縄県民の民意は、辺野古新基地の建設に反対していることが明らかである。
     日本国憲法は、住民が、国から独立した団体を設けて地方統治を行うとともに、自らの意思に基づいて地方統治を行うことを保障している(憲法第92条ないし94条)。また、日本国憲法95条では、「一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない」と定めており、国の特別法による地方自治権の侵害を防止し、住民の自主性を尊重し、各地方公共団体の平等権を尊重することを趣旨としている。
     このような日本国憲法が保障する地方自治の趣旨に照らせば、辺野古新基地に関する県民投票の結果は国政において最大限尊重されなければならない。
  • 4 それにもかかわらず、政府が、沖縄県民の民意を無視し、代替基地を沖縄県内に新たに設けざるを得ない止むに止まれぬ理由を合理的に説明せず、辺野古新基地建設の工事を続けることは、過重な負担を強いられる沖縄県民を合理的理由なく差別し、その尊厳を傷つけるものであって、個人の尊厳を保障し、法の下の平等を規定する憲法第13条及び第14条の趣旨に反するものである。
  • 5 2018年12月10日、沖縄弁護士会は、沖縄県民以外の日本国民の多くが辺野古新基地建設問題に必ずしも強い関心を有していないように見受けられるとの認識のもと、「辺野古新基地建設が、沖縄県民にのみ加重な負担を強い、その尊厳を踏みにじるものであることに鑑み、解決に向けた主体的な取り組みを日本国民全体に呼びかけるとともに、政府に対し、沖縄県民の民意を尊重することを求める決議」を可決させた。
     当会は、この沖縄弁護士会の決議に深く賛同の意を表するとともに、沖縄県民の民意を尊重し、辺野古新基地建設の抜本的見直しを求めるよう政府に強く要望するものである。

 

2020年(令和2年)2月13日

山形県弁護士会   
会長 脇山 拓

 


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